目的目標を考慮したトレーニングの流れを考えよう Part.1 目的目標設定編

目標としていた主要な大会を終え、オフシーズンを迎えると、しばらく休んでから「来年にむけてトレーニングを開始しよう」と考える人もいるでしょう。そんな時、あなたは何を目的目標としてトレーニングを開始しますか?

 

目的目標を定めることなくトレーニングを重ねていくのは、何もない砂漠の真ん中を、地図もコンパスも持たない状態で歩き続けている状態と同じで、何をしても見ている景色は変わることがありません。それでは、何をしていてもつまらないですよね。

 

イベントに参加するなら、レベルに関係なく去年の自分よりも速く走りたい、などの目的目標を持ってトレーニングした上で参加すると楽しみが増えます。また、レースに参加するならば相応のレベルになるために目的目標を持ってトレーニングをしないと結果を出すことができずに楽しめません。

 

目的目標を持ってトレーニングを行うことは、目的地を目指して走るサイクリングと同じです。目的地に達すると達成感を覚えて楽しいですよね。トレーニングも目標としていたフィットネス(FTPがこれぐらい、体重がこれぐらいなど)に達成すると楽しみを覚えますよね。

 

何事においても、目的目標を定めるというのは非常に重要になります。今回は、目的目標を達成する上で、必ず考えなくてはいけないことを書きます。

 

 

目的と目標の違いとは?

まず、コーチという立場である私は、トレーニングをどうしたらいいのか?と相談されること多いので、まずは相談者の目的を伺うようにしています。その場合、FTPを300wにしたいとかパワーウエイトレシオを5倍くらいにしたい、と言われたりするのですが、大体の方が答えてくださる回答は目的でないことが多い傾向にあります。思うに、目的と目標を混同してお話しされる方が多いのです、ここで言葉の違いを整理しましょう。

 

簡単に言うと、目的は「到着地点」であり目標とは「中間地点です。

 

例えば、大阪から東京へ行きたいという「目的」を達成するためには、名古屋や浜松、横浜などの中間地点となる「目標」を越えないといけないわけです。その間のルートが電車なのか、車なのか、はたまた新幹線なのかは知りませんが、出発地点から到着地点までの線路を「ペリオダイゼーション」と言います。目的を達成するためには、設定した目標をペリオダイゼーションに則ってクリアしていく必要があります。

 

話を元に戻すと、FTPを300wにしたい、パワーウエイトレシオを5倍にしたいというのは目標です。目的目標の違いについてお話しした上で改めて目的を伺うと「ヒルクライムで◯◯分切りをしたい」とか「このロードレースを完走したい」というようなゴール地点である目的をお話しいただけます。

 

目的目標を伺った段階で、次に私がすることは、じゃあその目的に則ったペリオダイゼーションを作成しましょう、ではなく「その目的目標が、相談者にとって最適なのか?」ということを考えます。年齢や性別、身体組成やパワープロフィールなどのフィットネスレベル、運動歴を考慮して、お話しいただいた内容が「本当に達成できそうなものなのか?」と考えます。

 

 

目的だけでなく、通過地点である目標を達成するためには、最低限「達成できる内容」でないといつまで経ってもしません。そのための、目的目標を設定するためには以下の条件をすべてクリアしている必要があります。

 

  1. 具体的か
  2. 数値化しているか
  3. 達成可能か
  4. 現実的か
  5. 期限は決まっているか

 

皆さんは、以上の5つを踏まえながら目的目標を考えていますか?それぞれの項目を、一人のクライアントを例にして説明していきたいと思います。

 

5つの観点から目的目標を設定する

例えば、以下のようなデータをお持ちのサイクリストがいたとします。

 

  • 男性(40歳)
  • 体重60kg(体脂肪率14%)
  • 身長168cm
  • FTP240w
  • トレーニング歴3年
  • 週に10時間トレーニングしている

 

この方は、今年の乗鞍ヒルクライムを1時間20分で完走しました。来年はもっとタイムを縮めたいからトレーニングをしようと、考えたとします。その場合にどのような目的目標を立てるかを考えていきましょう。

 

例えば「ただ去年よりもタイムを縮めたい」という漠然とした内容ではなく「来年の乗鞍で1時間10分を切りたい」というように期限を決めた具体的な目的を考えます。そのために必要になってくるであろう条件を考えると、パワーウエイトレシオを4.0w/kgから4.3w/kgにするなど、一つ一つ数値化した目標を立てていきます。もちろん、それらの数値化した目標は「12月にはFTP250w」「5月には体脂肪率8%」などと中間地点を決めながらより具体的に落とし込んでいきます。

 

仮に、目標としているパワーウエイトレシオを5.0w/kgにする、と考えた場合は期限と現在のフィットネスレベルを考えた上では現実的に達成は難しいかもしれないので、少しだけ背伸びして手の届くような範囲で設定しましょう。また、パワーウエイトレシオを目標とする場合は、体重を維持したままFTPを向上させる(FTPを258w)か、FTPを維持したまま体重を減らす(体重を55.8kg)かは、いろいろな方法があると思いますが、自身にとって確実に達成しやすいのかを考えましょう。もちろん、両方実施する場合もありますが、その場合はペリオダイゼーションを考えて、期分けしたトレーニングプランを組むようにします。

 

テーマとしてピックアップした上記の例は、目的目標を設定し、達成する上で必要となる最低限の条件のようなものですが、目的目標を考える場合には、このようにしっかりとゴールとなる目的、およびゴールまでまっすぐ進めているかを確認するための中間地点である「目標」を明確に決めながら、現在の自分と目的を結んだ道となるペリオダイゼーションを考える必要があります。

 

皆さんは、どんな目的目標を考えて、トレーニングに励んでいますか?またはプランニングしていますか?もし、具体的に考えることができていないならば、時間が非常にもったいないので、一度足を止めてもいいのでこれらを見つめ直しましょう。

 

トレーニングは、目的目標を具体的に考えるところからが始まりです。

いまさらだけど、トレーニングの組み方を考えよう。

2017.05.26

 

あとがき…コーチの存在とは?

より細かいことを言えば、目的目標を達成するためには、設定した目的地から今の自分がいる地点までの距離と正確に測り、上記の目標設定する方法を使いながら逆算するように辿っていかないといけません。

 

コーチ・トレーナーとしてスポーツおよびフィットネス業界に6年という短い期間しか携わっておりませんが、カラダについて相談をしてくださった方の中で、ここまで明確に目的目標を設定できている方はあまり出会ったことがありません。

 

しかし、みなさんそうした目的目標の設定を自身でできないというわけではないと思っています。それは、お仕事で既にこうした考え方を持ちながら動かれている方が非常に多いからです。

 

では、なぜそれらができないのというと、お仕事が忙しくそれらを組み立てるのに時間がないという理由にあわせて、トレーニングに関する情報が圧倒的に少なく、それを調べることも大変であり、なおかつ自身のフィットネスを正確に計ることができない人が多いから、というように見られます。

 

そんな時に、それらを解決してくれるのが「コーチ」と言われるトレーニングの専門家です。

 

目的目標を明確にし、現在の自身のフィットネスレベルを考慮した目的地までのルートを作成し、最速最短で目的目標を達成できるようなペリオダイゼーションとトレーニングメニューを作成することがコーチの役割でもあります。

 

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